創薬テクノロジー研究タイプ

A. 創薬テクノロジー研究

A1. 新規創薬技術 説明動画

A1-1 細胞内で機能する標的結合蛋白質、およびその作製技術

下記の条件を満たす「細胞内で機能する標的結合蛋白質」とその作製技術を募集します。

  • 遺伝子導入により細胞内で大量に発現すること。細胞内環境下でも十分に安定で凝集しないこと。
  • 改変により様々な標的特異性を付与できる可能性があること。既に何らかの標的分子特異的なクローンが得られていること。
  • 単一ドメインからなること。アミノ酸リンカーを介した二量体化など蛋白質工学的な改変に寛容であること。

(注意)
scFv、VHHなど既に報告されている分子、共同研究に含まれない第三者が権利を有する分子は対象外。

A1-2 転写因子やRNA binding protein (RBP)の機能制御、分解を誘導する技術

DNAあるいはRNAにE3リガンドを結合させるなど、転写因子やRBPを特異的に機能制御もしくは分解を誘導する技術を募集します。

A1-3 細胞内創薬標的の恒常性の維持に関わる新規機能研究

新規な標的分解技術の開発に繋がる、細胞内創薬標的(蛋白質に限らない)の恒常性の維持、およびタンパク質分解系による生体制御に関わる新規分子/機能の研究、およびその生理学的役割解明の研究を募集します。

A1-4 創薬応用を指向した糖および糖鎖研究

創薬応用を指向した、生体内で特定の機能を発揮する糖、糖鎖、およびその誘導体を用いた研究を募集します。
技術の例:特定組織集積や細胞内移行性といったDDS的機能付与、特異な物性付与、創薬応用が期待できる薬理作用付与
オリジナリティ溢れるアイデア段階のものも応募歓迎します。

(注意)
化学合成可能な技術に着目しており、リコンビナント技術で生産されるタンパクに対する糖鎖修飾技術は対象外

A1-5 転写因子を活性化する技術

転写因子の機能阻害ではなく、転写活性化を促すコンセプトを志向した創薬研究に活用可能な技術を募集します。
技術の例:従来型の核内受容体創薬ではなく、アロステリックな活性化、molecular glueのようなstabilizerなど。

A1-6 生細胞において任意のRNAを可視化する技術、またはプローブ

生細胞においてRNAの転写、翻訳、スプライシングの過程を”見る”ことができ、創薬のスクリーニングに応用可能なRNA可視化技術を募集します。 スクリーニングを実施した実績があると望ましいです。

A1-7 配列情報しかない標的タンパク質に対する低分子創薬技術に関する研究

配列情報しかない標的タンパク質に対する医薬品候補化合物の取得を可能とする、新規創薬技術を募集します。
技術の例:

  • 新規ヴァーチャルスクリーニング、結合分子予測技術、デザイン技術
  • タンパク構造(結合サイト)予測技術
  • リガンドとの相互作用解析やSBDD研究を行う技術

A1-8 新たな合成手法を用いて、ユニークな化合物ライブラリーを構築する技術に関する研究

今までにはない低分子ライブラリーを構築できるユニークなライブラリー構築技術を募集します。
技術の例:電気化学反応、光化学反応、酵素反応、等、これまで多検体合成に用いられなかった有機合成反応を用いるライブラリー構築手法。

A1-9 分子シミュレーションを活用した中分子・高分子医薬品の溶液中での物理化学的性質を評価する手法

中分子・高分子医薬品の溶液中での凝集等物理化学的な性質を分子レベルでシミュレーションし、相互作用等を評価する技術を募集します。

A1-10 既存技術ではアクセス、コントロールが困難な創薬標的を制御するための新規モダリティ技術

現行の医薬品で制御可能な創薬標的はほんの一部と考えられています。
既存の医薬品のモダリティではアクセスが困難、あるいはコントロールすることが出来なかった生体メカニズムに対して、革新的なテクノロジーあるいは複数のモダリティの組み合わせにより初めて制御可能となるようなモダリティ技術を募集します。新しいモダリティとして、現在は検証が困難であっても将来的に期待出来るチャレンジングな研究も募集します。

A2. ターゲティング技術・DDS技術 <デリバリー> 説明動画

A2-1 がん治療薬のデリバリー・ターゲティング技術

低分子やバイオ医薬品の腫瘍組織への局在化/活性化を可能とする画期的な技術を募集します。
技術開発の例︓薬物の腫瘍(細胞)内移行性・脳内移行性を大幅に高める技術、腫瘍組織特有の環境条件を利用したプロドラッグ技術、腫瘍中の特定の免疫細胞に作用する技術、化合物を安定かつ効率的に包含可能かつ表面修飾が可能な薬物キャリアなど。

<備考>
ADC技術は対象外となります。既存技術とは異なる特徴的な技術的コンセプト、in vivoでの体内動態・薬効検証を中心とする研究が望ましいです。

A2-2 外部エネルギーを応用した異分野融合によるがん治療研究

外部エネルギーを応用した抗腫瘍薬につながる創薬技術を募集します。
特に転移性腫瘍治療への応用を目指し、局所だけでなく全身・広域に使用可能な技術に興味があります。
技術の例:外部エネルギー(光、超音波、放射線、磁場など)によるエネルギー変換(ROS、熱)、もしくは、prodrugなど構造変化が誘導可能な技術・プローブ設計・マテリアル(無機粒子、色素)。

A2-3 腫瘍特異的な核酸デリバリー技術

以下のような腫瘍特異的に核酸を伝達する技術を募集します。

  • 臓器特異的リガンド、抗体、リポソームなどを活用した難治性癌(膵肝胆)、および卵巣、前立腺がんへの効率的な核酸伝達技術。同所移植モデルでの抗腫瘍効果を示すデータがあると望ましい。
  • 腫瘍の深部まで核酸を到達させ、エンドソームリリースにより効率のよいKDを達成可能な技術。

A2-4 中枢神経系への薬剤送達技術に関する研究

薬物を経口・局所・全身投与後、効率的に中枢に送達もしくは作用発現させるための新規技術を募集します。

  • 送達する薬物の例:幅広いモダリティを対象としますが、特に低分子、ペプチド、核酸、蛋白を対象。

技術の例:プロドラッグ化、コンジュゲート化合物、ターゲティングリガンド技術、ペプチドの経鼻投与による中枢移行性促進、など。血液脳関門を通過するとともに、通過後の標的細胞への送達を可能にする技術が望ましい。

(注意)
細胞間密着結合を開口するような技術は対象外。

A2-5 薬物の各種臓器(心臓、筋肉、腎臓、肺)へのデリバリー・ターゲティング技術

薬物を経口・局所・全身投与後、効率的に各種臓器(心臓・筋肉・腎臓・肺)に送達もしくは作用発現させるための新規技術を募集します。

  • 送達する薬物の例:幅広いモダリティを対象としますが、特に低分子、ペプチド、核酸、蛋白を対象。
  • 技術の例:コンジュゲート化合物、ターゲティングリガンド技術など。

(注意)
細胞間密着結合を開口するような技術は対象外。

A2-6 "核酸医薬を臓器・組織選択的に運ぶデリバリー技術またはターゲティングするリガンドの技術"

アンチセンス核酸、siRNAなどの核酸医薬を特定の臓器・組織において作用させることのできるデリバリー技術またはターゲティングリガンドを募集します。
局所投与の場合でも特定の小器官や細胞へのデリバリーが可能であれば対象となります。

(注意)
肝臓実質細胞へのデリバリーについては対象外。

A2-7 薬物送達用機能性ナノ粒子技術

リポソーム等のナノ粒子に関する下記の新規技術を募集します。

  • 低分子化合物や核酸等の内封物を特定の組織や細胞に選択的に送達するナノ粒子技術。
  • 特に肝臓や脾臓への集積を回避する技術。
  • 既存の方法では封入が困難な低分子化合物や水溶性中高分子化合物をリポソームへ効率よく封入する技術。

<備考>
一般的なPEG修飾リポソームとの比較で大きく性能が向上した技術を求めています。

A3.ターゲティング技術・DDS技術<その他> 説明動画

A3-1 細胞膜を化学的・物理的に修飾することで細胞膜上に機能性高分子を提示させる技術

生細胞や膜小胞の細胞膜を化学的・物理的に修飾し、蛋白質・糖鎖などの生理機能をもつ高分子を外部から人工的に細胞膜上に導入し提示させる技術を募集します(機器デバイスを活用するものも含みます)。
従来技術例として、膜蛋白質への共有結合、疎水性やカチオン性のドメインの付加などが挙げられますが、従来の課題である膜上での安定性の低さを解決する改良技術、新発想にもとづく新規技術、アプリケーション研究を広く求めます。
研究例:抗原や抗体様分子の細胞表面提示技術の開発。

(注意)
遺伝子導入のみによるアプローチは対象外

A3-2 薬物の膜透過性を促進する製剤化技術

低・中・高分子化合物の膜透過性を促進するための新規製剤化技術を募集します。
技術の例:ペプチドや高分子の経口吸収性促進、低中分子の経皮吸収改善、粘膜特異的な分布を示すような製剤化技術
副作用回避の観点から、全身への分布を回避するような投与経路/製剤化技術の開発でも結構です。

(注意)
細胞間密着結合を開口するような技術は対象外

A3-3 薬物の細胞内への取り込み促進物質/配列に関する研究

核酸、ペプチド、蛋白質などの中・高分子の細胞内への取り込みを促進する新規物質または新規配列を募集します。
共有結合/非共有結合は問いません。

(注意)
従来型のカチオン性 Cell Penetrating Peptide (CPP)は対象外。

A3-4 薬物の物理的細胞内封化技術

核酸、ペプチド、蛋白質などの中・高分子を、試験管内で物理的に細胞外から細胞内へ導入する新規技術研究を募集します(機器デバイスを活用するものも対象になります)。
対象とする細胞:赤血球、リンパ球などの血球系細胞
従来技術例として浸透圧変化・エレクトロポレーション・超音波などの外部エネルギーによる細胞内導入が挙げられますが、従来技術をベースとしながらも内封率を飛躍的に高める技術、新規な発想にもとづく内封技術、を広く求めます。内封物質の物性や特定の細胞のバイオロジーに依存しない物理的手法が望ましいです。

(注意)
細胞のエンドサイトーシスを利用するもの、ウィルス・非ウィルス型のベクターを用いるもの、低分子薬物用のものは対象外。

A4.抗体治療に関する技術 説明動画

A4-1 特定の抗原に対する抗体を効率的に誘導することができるアジュバンドや免疫方法に関する技術

以下のような動物免疫技術に関する研究を募集します。

  • 糖鎖や構造認識、複数回膜抗原などに対する抗体の誘導
  • ヒト、サル、げっ歯類など種を超えて交差性を有する抗体の誘導
  • 抗原依存的にB細胞をin vitroで活性化し抗体を産生する方法

A4-2 抗体、ADC等の抗体関連モダリティにおいて、標的分子以外への非特異的な結合または細胞への取り込みを回避、軽減する技術

抗体、ADC等の抗体関連モダリティにおいて、標的分子以外への非特異的な結合または細胞への取り込みを回避、軽減する技術を募集します。
技術の例:

  • 細胞への非特異的吸着、細胞内への非特異的な取り込み(マクロピノサイトーシス等)を回避、軽減するタグや化学修飾技術
  • FcRnを介したヒト血中半減期の最適化技術およびその評価方法(in vitro, in vivo含む)
  • C型レクチン受容体などへの抗体の結合を制御する技術や手法
  • フリーの血中抗体、ADCを積極的に腎臓等に集積させて、クリアランスを亢進させる手法。

(注意)
PEG化による物性改善技術、FcγRs、補体への結合活性を変化させるFc改変技術は対象外

A5.遺伝子治療に関する技術 説明動画

A5-1 アデノ随伴ウイルスの新規キャプシド取得技術

アデノ随伴ウイルスベクターを利用した遺伝子治療に活用できる新規キャプシドを取得する技術を募集します。
技術の例:

  • キャプシドライブラリー作製および評価技術
  • 標的臓器に効率よく感染するキャプシドの取得技術
  • ヒトを含む霊長類での感染性を担保できるキャプシドの取得技術
  • 大きなサイズのベクター(5 kb以上)を包含できるキャプシドの取得技術
  • ヒトに対する抗原性が低いキャプシドの取得技術

A5-2 低分子化合物によるヒト細胞遺伝子発現制御技術

低分子化合物によるヒト細胞の標的遺伝子発現制御技術を募集します。
技術の例:

  • 遺伝子発現変動解析技術及びIn silico解析技術
  • 上記を組み合わせた遺伝子発現制御予測技術
  • AIプラットフォームを用いた有用低分子化合物選抜技術

A5-3 鎖切断を伴わずにゲノムを編集する技術

標的DNA塩基配列の二本鎖切断を伴うゲノム編集は、しばしばDNAの挿入や欠失が起こりますが、このような意図しない変異を回避することができる鎖切断を伴わないでゲノムを編集する技術を募集します。

A6.細胞治療に関する研究 説明動画

A6-1 "CAR-T細胞の薬理機能強化分子/遺伝子の探索・検証"

以下のいずれかの要件を満たす研究を募集します。

  • T細胞の機能を高める新規分子(遺伝子)の探索・検証研究
  • 技術の例:疲弊耐性、免疫抑制環境の克服、細胞傷害活性増強など
  • 固形がん組織へのリンパ球浸潤を制御する新規分子(遺伝子)の探索・検証研究
  • ホスト免疫システムとの相互作用を反映したヒトT細胞の機能および薬効評価系に関する研究・技術
  • CAR-Tに適した標的抗原バインダーのスクリーニング技術および成熟化技術

A6-2 細胞治療における、移植/投与細胞の生存および機能を保持・亢進させる技術

以下のいずれかの要件を満たす技術を募集します。

  • 移植/投与細胞のin vivoにおける生着や生存維持、細胞機能(生物活性)を保持させる細胞改変技術や(バイオ)マテリアル/デバイス
  • 他家細胞移植において、ホスト免疫系からの排除/拒絶反応を回避/抑制する細胞改変技術
  • 他家細胞移植において、ホスト免疫系からの隔離と移植細胞への栄養供給を両立した(バイオ)マテリアル/デバイス
  • 生体内において、投与/移植細胞の意図した細胞機能(生物活性)を保持・向上または新たに付与する技術

A7.安全性予測・薬物動態に関する研究 説明動画

A7-1 バイオ医薬品のヒト免疫原性予測に関する研究

バイオ医薬品の非臨床の免疫原性予測法として一般的な、in vitro によるT細胞増殖反応試験とは異なるアプローチや指標を用いた評価法、またはヒト化動物モデル等によるin vivoの免疫原性評価に関する研究を募集します。

A7-2 irAEを予測する非臨床モデルに関する研究

免疫寛容を調整する薬剤による免疫関連有害事象(irAE)を検出するための、in vitroあるいはin vivoの評価モデルに関する研究を募集します。

A7-3 遺伝子治療のPKPD及びヒト予測に関する研究

AAVを用いた遺伝子治療の分野でModeling and Simulation等の手法を用いたPKPD及びヒト用量予測の手法を募集します。

A7-4 ヒトにおける皮下投与時のバイオアベイラビリティ予測手法

ヒトにおける皮下投与時のバイオアベイラビリティあるいは吸収速度(Ka)を予測するin vitroあるいはin silico手法を募集します。
特に、抗体およびタンパク製剤に適応可能な手法を優先します。

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