創薬テクノロジーの研究課題

B. 創薬テクノロジーの研究課題

B1. モダリティ基盤技術

B1-1 mRNAの量や塩基配列を操作可能な新規メカニズムの核酸医薬の技術

以下を満たす化学合成核酸を用いた新規技術を募集します。
 • 転写・スプライシング・翻訳などに関わる、RNAと相互作用する酵素等との相互作用をメカニズムとする
 • mRNAの量(または、タンパク質の量)の調整あるいは塩基配列変換を達成できる (注意)RNase H、Ago2、ADARに関する技術は対象外です。

B1-2 Molecular Glue Degraderの取得技術

Molecular glue degraderの取得技術を募集します(評価法の工夫、化合物ライブラリーの工夫、解析方法の工夫など)。

B1-3 Heterobifunctional moleculeの経口化技術

Heterobifunctional molecule(MW 1000~2000)を経口化できるDDS技術を募集します(吸収促進剤など)。

B1-4 強力な組織特異的プロモーター

AAV搭載可能な程度に短く、組織特異的発現が可能なプロモーターおよびその探索技術を募集します。

B2. 創薬基盤技術

B2-1 核酸医薬を臓器・組織選択的に運ぶデリバリー技術またはターゲティングするリガンド

アンチセンス核酸、siRNAなどの核酸医薬を特定の臓器・組織(中枢、肺、腎臓、がん、免疫細胞、心臓)において作用させることができるデリバリー技術またはターゲティングリガンドを募集します。局所投与の場合でも特定の小器官や細胞へのデリバリーが可能であれば対象となります。
 (注意)肝臓実質細胞へのデリバリーは対象外です。

B2-2 高容量(>10mL)の血漿サンプルからのハイスループットEVs回収技術

血漿EVs(Extracellular Vesicles)中のタンパク質やRNAは由来組織の状態を反映しており、liquid biopsyのツールとしての有用性が期待されています。含量が微量で感度不足となるバイオマーカーの測定のために、高容量の血漿サンプル (最低10mL)から、初期臨床試験の検体数を扱えるレベルのスループットでEVsを精度よく回収する技術を募集します。

    B2-3 回収されたEVsの評価技術

回収されたEVsが由来する組織/細胞の割合を評価できる技術を募集します。特に、血小板、血管内皮、中枢、肝臓、心臓などの組織/細胞由来のEVsの割合を解析できる手法が望ましいです。

    B2-4 免疫組織染色像や3次元組織透明化画像から薬物濃度を測定する定量的蛍光イメージング法

投与薬物の組織内濃度を蛍光イメージング画像から算出するための、以下のいずれかの技術基盤を募集します。
 • 蛍光標識された薬物を投与した際の、臓器の組織切片画像あるいは3次元組織透明化画像から投与薬物の濃度を算出する方法
 • 抗薬物抗体を使用した免疫組織染色像から投与薬物の濃度を算出する方法

B2-5 生体内タンパク質のターンオーバー速度評価手法

生体内におけるタンパク質 (キナーゼ、細胞膜タンパク・抗原、転写因子など) の生成・消失 (ターンオーバー) 速度を評価する技術・手法 (in vitro/ex vivo) を募集します。
 (注意)一般的なSILAC (Stable isotope labeling by amino acids in cell culture) 法による測定は対象外です。

B2-6 従来の有機合成化学的手法では成し得ない変換反応を触媒する新規酵素の探索研究

低分子や核酸、糖鎖といった合成医薬品の製造プロセスを変革するような新規反応を触媒する酵素を、種々の探索手法や改変技術などを駆使して獲得したいです。獲得した酵素を実際の医薬品製造プロセスに適用することを本研究の目標とし、工程数の短縮や製造コストの削減を目指します。

B2-7 微少流量クロマトグラフィー用の無孔性疎水性相互作用モードカラムの新規開発及び性能評価

微少流量帯(目安として50 µL/min以下)向けに最適化された疎水性相互作用モードHPLCカラムの開発(固定相修飾基の選定を含む)、試作、および性能評価に関する技術研究テーマを募集します。多流路拡散の高度な制御を達成する粒子充填型または非粒子充填型のカラムを想定しています。なお本研究における分析対象はNIST mAbなどの一般的な抗体を想定しています。

B2-8 各種モダリティ分子のマスキング技術

抗体医薬品やアデノ随伴ウイルス等の分子表面の抗原性エピトープをマスクすることを目的に、従来のタンパク質工学によるアミノ酸の改変ではなく、より簡便で安価な製剤技術の開発に協力していただける大学、企業を募集します。

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